解決できる問題とできない問題があることをわきまえる

シンプル思考の大事なことは、明解、わかりやすさ。ブレず、回り道をしない。誰よりも早くゴールに到達できる。いいことずくめのようですが、実はそうでもありません。心してほしいのは、「シンプル思考なら、必ず成功する」とか「必ずいい結果が得られる」と思い込まないことです。

ゴールにもいろいろあるのです。シンプル思考はゴールに早く辿り着けますが、その結果は「大成功」と約束されているわけではありません。「この方向に行ってもダメ」という結果かもしれないのです。

私たちには、有限のものがあります。それは「時間」です。私たちは限られた人生の中で、限られた時間で目的を達しようとしています。恋人が部屋にやってくる時間は、多少遅れたとしても、あらかじめ約束しているので引き伸ばすことはできません。むしろ、ウキウキして早く来てしまうかもしれません。ですから、掃除について複雑に考えている暇はないのです。ベストの方法を得たいがために、複雑な方程式を解くことに挑戦するよりも、ベターな結果でも最善を尽くせるように、足し算、引き算、掛け算、割り算で対応する。これがシンプル思考です。

つまり、私たちには「いま取り組んでもムリ」という問題もあることを謙虚に受け止めておかなければなりません。たしかに理論的には、あらゆる問題はいつか解決すると思いたいですよね。実際、人類はさまざまな問題を解決してきました。

それは長い歴史の中でのことであって、いま私や、みなさんが直面している問題にはタイムリミットが迫っていて、その中で解決しなければならないかもしれないのです。

こうなると優先順位が重要になります。掃除をするにあたって「お掃除ロボットがあればよかった」とか「最高級掃除機があればよかった」とか「掃除をやってくれる会社に依頼しておけばよかった」と思うのは個人の自由。ですが、いまなにができますか。あと2時間で恋人が部屋に来るのです。もしかしたら1時間50分かもしれません。

シンプル思考はこういうときに、シンプルに考えることを勧めるのです。とりあえずリビングだけ掃除する。見えるところだけやる。または掃除はしないで、ゴミだけ捨てる。むしろ空気を入れ換えて、買い物に行き、花でも飾ったほうがいいかもしれません。

ようするに、相手を大切な人として迎え入れること。そこが大事なのです。おもてなしの水準としては低いかもしれませんが、1時間50分、おや、もう1時間45分でできることをきちんとやった方がいいのです。

単純に考えるとき、それは単純の「純」。純粋に一番大切なことにフォーカスすること。決して短絡的に考えてはいけません。

私たちは自分が信じることしか成し遂げることができません。信じることは、ごくごくシンプルなものです。単純な言葉で表せるはずです。純粋に信じることのできる言葉は、とても強く、結果に結びつきやすいのです。情熱的な行動に移しやすいのです。

そして「いまは解決できない」とわかることも、とても重要なことです。解決できないものを追うのには時間が必要です。それは長期にわたって心に掲げておくテーマとすればいいのです。いまは、すぐ解決できるものに情熱的に取り組む。そして結果を出す。これがシンプル思考のいいところなのです。

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