ズバリ問題を解決できるシンプル思考を身につけよう

問題を抱えた人が最初にする行動とはなんでしょうか?

とにかく問題を解決してみようと思うはずですから、「考えてみる」。考えても解決しそうにない、解決できる自信がないときは、「人に訊く」。それでもよくわからないときや、時間が迫っているときは、「行動してみる」。その結果は、どうなるでしょうか?

解決する場合。解決しない場合。大きく2つにわかれると思います。解決する場合でも、完全に解決することもあれば、ほどほどの解決でよしとする場合もあります。解決しない場合でも、現状維持のままで継続する場合もあれば、大きな失敗となってダメージを被ることもあるでしょう。

とても、ザックリとした話ですが、この結果を数字であらわすと、結果は100点、50点、0点、マイナス点の可能性があると言えます。このため、多くの人が経験上、「まず行動」と感じるようになります。

「ぐだぐだ言ってないでやってみればいい」とか「悩んでないでアタックしてみろ」といった言葉に励まされて、「やっちゃえ!」とやることが多いのではないかと思います。ただし、0点とマイナス点は受け入れられない結果のはず。本来はよく考えて、50点以上になる行動を目指すべきです。

ところが私たちは必ずしも、そうではありません。マイナス点になるかもしれないのに無鉄砲な行動に出る人が少なからずいます。そうして大きなダメージによって苦境に立ってしまった人は、「だって考えても解決しないから、しょうがない」と言うことでしょう。

本当にしょうがないのでしょうか?

私たちは自分の選択を肯定しやすいのです。「あのときは大変だったけど、ともかくいまがあるってことは、やっておいてよかった」となりやすい。とくに0点を肯定しやすいのです。テストで0点は受け入れられないほどの大失敗ですが、「考えてもわからない」と行動をしてみた結果、なにも得るものがなかった場合でも、「でも、まあ、行動しておいてよかった」とか「マイナスにならなくてよかった」と考えるものなのです。

現実には0点は意味がない結果です。徒労といっていいでしょう。検証すればその間にムダに費やした時間や労力はマイナスになると思いますが、私たちは「こういうこともある」と自分を慰めます。「失敗は成功のもとだ」と。「現状維持でなによりだった。これからボチボチやっていきながら、もしかしたらいい解決策が思いつくかもしれない」と考えたりもします。

精神的な面では、これもいいのです。落ち込んでしまうと、再起すらできなくなる恐れがあるのですから、「0点だって大丈夫」と思うことが、次のチャレンジへの活力になるのなら悪いことではないのです。

ですが、問題はなにも解決していません!

よく考えずに行動をしたために、「うまくいかなかった」という結果だけが残り、問題の解決に結びつく検証ができていません。発明王のエジソンは確かに失敗を歓迎しましたが、それはゴールに辿り着くための明確なビジョンがあって、そのために失敗も必要なことだから受け入れることができたのです。ただの失敗ではなく、成功へのプロセスでした。

よく考えないで行動しても、それは成功へのプロセスではなく、「一か八か」のギャンブルにすぎません。それもかなり分の悪い賭けです。

シンプル思考は、複雑な問題をできるだけシンプルな問題に分解していき、解決できるところから解決していくことで、最終的にすべてを解決する考え方です。一か八かの賭けではなく、最初から成功へのプロセスになっているのです。ズバリ問題を解決するには不可欠な考え方と言えます。