これを解決することで本当にメリットがあるのか考えてみよう

最初の訪問に成功した恋人。その満足度を推測しつつも、次の提案の意図を確認して、自分は今度はどうすればさらに満足してくれるのかを探るのです。そのためには、恋人の意見を上手に引き出す必要があります。

というのも、次々と新しい問題が出現してきますが、そのすべてを解決することよりも、本当にメリットのある問題から解決すべきだからです。意見はそのための参考になります。

有益な意見を引き出すには、聞き役に徹する必要があります。あなたが「だって、これはこれしかないよ」と言ったら、そこでみんなの知恵は急ブレーキ。出かかっていたいいアイデアも、アウトプットされることなく、消えていきます。

「そういう考えもあるんだ、おもしろい。ほかにもあるかな?」と促進をしながら、どんどんみんなに意見を出してもらうことが大切なのです。たとえ「これしかない」とあなたが思っていたとしても、それは言わず、みんなが同じ結論になるか見守る必要があります。

もちろん、全員がこの問題に対してあなたと同じだけの情報を持っているとは限りませんし、全員がシンプル思考で対応してくれるとは限りません。恋人もあなたのことを気遣ってホンネを言わないかもしれません。

だからといって焦って、こちらから決めつけるのは、あまりよくはありません。むしろ自分の意見や結論を言うときには、相手からいろいろ聞いたあとで「それって、まとめるとこういうことになる?」といったアプローチで告げることです。

そうしないと、参加した人たちは、「なんのために意見を言わされたのか」と不満になってしまうのです。誰だって意見を言うのは苦しく、面倒なものです。それを言ったことを賞賛することもなく、踏みにじるようにあらかじめあった結論を押しつけてはいけません。

ただ、同じ結論を言うのにも、「これはみんなの意見を聞いた上で練り上げた結論」とすれば、まったく受け止め方は違ってきます。自分たちの意見が反映された結論となるのですから、納得性はぐんと高くなります。納得性が高まれば結果につながる行動をしてくれる可能性も高くなります。新たな意見やアイデアも出やすくなります。

恋人の意見として「もっとのんびり部屋でくつろぎたかった」と言われたら、次こそしっかり準備して、掃除も一度にやるのではなく、事前に少しずつでもやっていくようにして、ゴミも溜めないように注意するといったことも含めて対応していけばいいのです。

これは、相手が言ったとおりにするのではありません。選択権はこちらにあるのですから、「部屋でくつろぐより、別の店に行こう」と提案してもいいのです。それによって、相手がどのような反応をするのか見てもいいのです。

あくまでも、意見をしっかり聞く姿勢を示すことです。意見を言わない人もいますし、よくわからない意見を言う人もいます。でも、腹を立てる必要はありません。これはゴールに向かう過程であって、意見そのものが必ずしも重要ではないのです。プロセスとして意見を聞き、必要なものを取り入れていくことです。

その上で「本当にメリットのある問題」を見極めていきます。解決策があるからといって解決する必要のない問題もあるのです。時間がもったいないので、そこにはとらわれず、一番効果的な問題を解決していきましょう。